第30章~怒り~
親父『おい。健。その…なんだ。』
歯切れが悪くそういった。しかし次の瞬間耳を疑うことになる。
親父『あんま唯ちゃんとは関わるな。』
俺の親父は寡黙であんまり俺と喋ろうとしない。だからこそ、突然の親父のこの一言に余計俺は驚きを隠せなかった。
健三『い…いきなりなんだよ。意味わかんねぇよ』
親父もそれ以上は黙ってしまった。代わりにお袋が言葉を続ける。
母『あんた最近成績落ちて来たでしょ!そんな遊んでばっかいないで勉強しなさい!それにあの娘は…』
バン!
食卓ににつかわない音が響いた。親父がお袋の言葉を遮る様に机を叩いたのだ。お袋は親父の行動に苦虫を噛んだような顔をしていた。その場を制した親父が続ける。
父『まぁそういうわけだから。』
健三『…』
俺は何も言えなかった。そして意味も解らなかった。その場にいたら喧嘩になると思い、無言のまま食器を片付けて自分の部屋に戻った。
俺はパジャマを脱ぎ捨てながら、いまさら怒りが込み上げて来る。
健三『ざっけんな!!』
この時あまりに頭に血が上り過ぎててお袋があの時言いかけてた言葉を気にとめられるはずもなく…。
とりあえずこの場所から一刻も早く抜け出したいのもあり、俺は待ち合わせ場所に3時間早く向かった。
第31章~凍結~
健三『ったく…。三時間前行動なんてありえねぇっつうの…。』
俺は愚痴を溢しながらも、学校の近くのコンビニで時間を潰す事にした。
コンビニで立ち読みをしていると携帯の着メロが流れだした。
健三『…?!やべ。』
朝っぱらのコンビニに虚しく響き渡る着メロ。店員の視線が痛い…。
朝にとんだアクシデントがあったためマナーモードにするのを忘れていたのだ。着メロがコンビニに響きわたる。
俺は慌てて携帯を取り出した。相手は雄太だった。
雄太『お。起きるの早くね?うぃーす。』
俺はもう学校の門にいるんだよ!って言いたくなったが、雄太に言ったらどうせ笑うだろうな。『体育会系かよ!(笑)』とか言うのが目に見えている。
健三『あぁ。さっき起きたとこなんだよね。どした。』
雄太『今日俺何来て行けばいいかな?(笑)迷っちゃって迷っちゃって(笑)』
声からして今日はウザイほど上機嫌だなこいつ…。
健三『んじゃそうだな、とりあえず海パン一丁でこいよ』
雄太は笑いながら、
雄太『流石にいくら今日熱いからって海パン一丁はねぇよ。風邪ひくわ。』
健三『そんなの関係ねぇ!はい!おっp』
ブチッ。切られた。
健三『くそ、最後まで言わせろよ…。まぁいいか。』
また立ち読みを始めたらまた電話がかかって来た。また雄太の奴だと思って第一声に思いっきりでかい声で、
健三『はい!おっぱっぴー!』
唯『……けんちゃん大丈夫?』
まさに時間が凍った。
…穴があったら入りたい…。